自閉症息子との引越しが完了〜

8月末に住居の引越しを終えた講師かなざわです。普通にやっても大変な引越し、普通と違うのは自閉症の息子がいたこと。困ったことや意外とうまくいったことなどを書きます。

上は最近の息子(中学2年自閉症)の様子。

初めて飛行機に乗りました。

自閉症の息子に関するブログは、診断が降りてから漠然と将来に不安を抱いていた過去の私を振り返り、発達凹凸の子供がどんな風に育っていくのか知りたかったところから始まっています。

 

というわけで前提として、息子が生まれた時から小学校時代のことまでをお話しします。

赤ちゃんの時はとにかくギャン泣きする子で、床に降ろすことができず、寝る時も30分に1回くらい起きる(寝てすぐ起きる)ので眠ることができず、親がひっきりなしに病気になり、保健師さんに「家族が全員死んでしまったらこの子は誰が面倒を見てくれるのでしょうか。」と明らかにおかしいことを質問したこともありました。

 

言葉の遅れが見られて自閉症&知的障がいの診断を受けてからは、最初は「なぜ私なんだろう、神様は耐えられないことはなさらないって言うけど、私は耐えられないのにどうして。。。」と1年くらいとても不安な気持ちで過ごしていました。

 

息子は、指示に従わなかったり、特定の食べ物しか食べなかったり、知らない場所に行くと泣いて帰りたがることがありました。さらに、音に敏感でトイレに行けなかったり、だいぶ長い間、呼んでも返事をしませんでした。

 

私自身も手にフォーカルジストニアという病気が見つかり、辛い状況でした。しかし、リハビリとして始めた「フェルデンクライスメソッド」に出会ったことで、私の人生は変わりました。

 

フォーカルジストニアというのは神経系の病気で、治療はほぼ不可能な難病と言われていますが、フェルデンクライスメソッドの簡単な動きでびっくりするほど動きやすくなることに気づきました。

フェルデンクライスは神経可塑性を利用しています。

神経可塑性とは、神経の状態は固定されておらず、構造的・機能的に変化する、という性質のことを言います。

もちろんジストニアも良くすることができるし、同じく神経のあり方で起こっている自閉症や知的障がいというものも必ず変化させることができる、ということを体験として感じることができたのです。

 

フェルデンクライスのトレーニングに通い、息子にその手わざを毎日施す日々が小学校を卒業するまで続きました。

その中で、様々な感覚過敏が解消され、言語聴覚士さんに一生話せないかもと言われた言葉も押し寄せるように出てきました。

知的障がいは、IQが定型の子供の一般的な数値よりも多くあるくらいに成長し、それまで持っていた療育手帳は返上。

特性による生きづらさというものはずいぶん少ないのではと感じるこの頃です。

 

ここからは引越しについてお話しします。自閉症の子どもは変化を嫌うことが多く、引越しをどう思うか何度か聞いても「ノー」と言われました。

やっぱりそうだよね。。。

そんな時、息子が鉄道を学べる高校に興味を持ちます。

候補が二つありましたが、両校とも都内にありました。

そこで「通うならJRの駅に近いところじゃないと大変だよ。」と話しました。

引越しで何が嫌なのかきくと

「中学を卒業したら、お友達が自分を探せなくなってしまうかもしれない。」

と言っていました。

なんだそんなことかと思い、

「最近お母さんは高校の時の友達の時と20年ぶりに会ったよ、どこで会ったと思う、銀座だよ。今の世の中は生きていればだいたい誰にでもどこでも会えるんだよ。」

と話しました。

そこで承諾しあっという間に1ヶ月後の引越しを迎えました。

 

引越しの日が近づくにつれ、使わないおもちゃを整理するのは大変でしたが、少しずつ減らしました。新居にも何度も足を運び、少しずつ愛着を持つようになりました。

私は、息子が新居で生活の質を良くして暮らせることをとにかく目指していたので、使いやすい家具配置とか電化製品、生活動線の配備など徹底的に考えました。

家具は30個くらいニトリやIKEAで買い、ほとんど全て私が組み立てしました。

プロが使うような脚立も買い、照明も変えることができるように!

やればできる。本気に慣ればできる何事も(笑)

上は息子の部屋。大好きなエレキギターを飾るところも作りました。

もう一つ買い増す予定だから端っこに寄せてるのだそう。

好きな絵も飾りました。

ついでに家の中です。

中古の一軒家で、積水ハウスの注文住宅です。

築年は古いですが丁寧に作られた鉄骨造りの家なので、住んでいて安心感があります。

お風呂は家の中で唯一リフォームしたのですが、息子のこだわりで「いつも行くホテルみたいなのがいい」ということでホテルライクなものにしようと務めました。

ウッド系の色でまとめました。一般的な白のものと比べて同じ値段なのでまあ面白くて良かったかなと思っています。

駅に自転車で7分の距離になったことにより、毎週乗り鉄に出かける息子。

もちろん全て1人旅。

私の作った弁当を持ち、高崎、新前橋、虎ノ門、新橋、東京、品川などあらゆるところに1人で出かけていきます。

この前、人身事故で先に進めなくなったと連絡があったので「戻ってくれば」とメッセージを送りましたが、臨時で出ているバスに乗車して目的地まで行ってきたそうです。

熊谷駅からは毎週日曜日にSLが出ることを知ると、最近はSLを見に行くことがマストとなっています。

お小遣いは全て乗り鉄の乗車券に消える息子。

 

雨や風で出かけるのが億劫な日でも、「虎ノ門ヒルズを見てみたい」と言ってあっという間に出かけてしまう行動力には脱帽です。(ちなみに最寄駅はJR行田駅です。)

虎ノ門ヒルズに住むことを夢見ていて、調べたらマンションを買うと200億円くらいするそうな。

がんばってねと声をかける。

 

引越ししてから、息子はきちんと手伝いをするようになりました。

やりやすいように導線を整えたためと、乗り鉄に行くための小遣いを減らしたくなりからです。(手伝いが1ヶ月毎日行われたことを確認してお小遣いがもらえる仕組み)

小さい庭に野菜を植えているのでそれの水やりと、土鍋でのご飯炊き、風呂の掃除を担当しています。

 

引越しと引越し後の様子でした。

よく子供に決定権を委ねてしまう親御さんがいらっしゃるのですが、私は違うと思うのです。

親がその先にその子がもっと良くなれるイメージができていれば、子供がしぶろうが決定すべきときはあると思います。

子供を尊重することと決定を混同してはなりません。

 

子供や不安の多い人は変化を恐れます。

でも脳は変化を欲している、変化することで神経系がより一層その結びつきを強くします。

家具を作るという新しい才能が生まれた私と、乗り鉄によって外の世界に飛び出しあたらしい世界を享受している自閉症息子、引越しという変化は素晴らしい!


発表会に向けて合わせの練習

11月の発表会に向けてエレキギターを練習する息子。

習っている先生が選んでくださったのがスピッツだったため、大学生の生徒さんにお願いして歌も合わせてもらいました。

息子は余裕ゼロで仏頂面ですがそれらしくなってきました。

美しい歌と優しい表情で見守ってくれる生徒さん、本当にありがとう!!

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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