学校で学んでいるお子さんの中に、赤や緑が見えにくいお子さんがいます。「見る力」とは、視力に出てくる数値だけではありません。
本人に「見える?」
と聞くと、
「見えてるよ」と返事が返ってきます。
でも実は赤の度合いが茶色に写っていたり、赤や青が見えずらかったりすることがあるそうです。
子どもの方は、他の人の見え方を知っているわけではないので、見えているかと聞けば、見えていると答える傾向があります。
指導者側や親御さんが子どもたちの見え方について、そうとう注意を払っていないと、見え方に困っている子どもたちの存在に気づくことは難しいです。
そこで、学校や家庭において、「見る力」として知っていてほしいことをお伝えしていきます。
「見る力」とは、視力に出てくる数値だけではありません。
「見る」には、様々な見るための機能、「視機能」が働く必要があります。
また、レンズを通して受け取った映像を「脳」の様々な部位で連携して処理する「視覚情報処理機能」が働いてはじめて、「見える」という状態を作り出しているのです。
◎「見える」ために必要な「見る力」
【視覚情報を脳に「入力」する機能】
- 「視力」:注意して見分けようとする対象物をどれだけ細かく見分けられるかを表す単位として使われる言葉。
- 「目の運動機能」:一点を見つめるための『注視』、素早く正確に視線を移動させるための『眼球運動』、両目のチームワークをつくる『両眼視』、『ピント合わせ』をする機能の調節。
【視覚情報を脳で「処理」する機能】
- 「形態知覚」:形をまとまりとして理解する力。
- 「空間知覚」:見ているものの位置を把握する力。
- 「眼と手の協応」:眼と手を連携させて動かす力。
以上の機能が働き合うことで「見える」のです。
「見る力」は学ぶために非常に重要です。もちろんピアノ演奏にも。
視力があるのに、文字がうまく書けなかったり楽譜が読めなかったりするとき、
「怠けている」
「努力が足りない」
などと軽く言ってほしくありません。
目をこすらせて、一生懸命見ているのに、うまく文字の形を読み取れずに困っている子どもがいます。
黒板の文字と自分が書くノートを頭を上げ下げして見ているが、眼球がうまく動かせなくてどこまで書いたか分からなくなり、黒板を消されてしまいそうで焦っている子どもがいます。
ピアノ演奏の場合には、楽譜と手元を交互に見ることが大変難しく、手元しか見ることができないために、読んで弾くのではなく覚えて弾くことに頼らざるをえない子どもがいます。
形をまとまりとして処理することが苦手なため、楽譜や鍵盤を識別することが難しかったり、見ているものの位置を把握する力が弱いことで音の高低の識別が難しい子どもがいます。
このような場合、「楽譜が読めない、ピアノ演奏が上達しないのは努力が足りないから」という評価を受けていたりします。
頑張っているけれど「見る」ことに困っている子を見つける方法を以下のように示しました。
《チェックポイント》
○視覚性の眼精疲労はないか?
・ものを見ると疲れる
・目を細めて見る
・頭痛がする、まぶしい、涙が出る、眼をこする
・近業をいやがる
・読書姿勢の異常(過度に近くないか?)
・根気が続かない
○視力は遠方だけでなく、近方も確認する
○遠近でピントはスムーズに切り替わっているか?
この他にも「見る」ことが苦手な子の特徴として
- 板書を写すのに時間がかかる。
- 集中して見ることが苦手で話を聞くときにたえず視線を動かす。
- 問題を抜かしたり、回答欄を間違える。
- 音読の際に行を飛ばしたり、同じ場所を繰り返し読む。
- 文字が汚かったりマスからはみ出したりする。
- 頭を動かしながら本を読む。
- 手先が不器用。
- 投げられたボールをうまく取れない。
- ものや人によくぶつかる。などなど。
「見え方に困っているのではないか?」という推測を働かせることが大切です。
「見る力」は視力だけではないということをぜひ知っていただきたいです。
勉強、運動、それからピアノに関して努力しているのにうまくいかなかったりする場合、視覚機能を改善させることでスムーズになることが多くあります。
視覚機能を向上させるために、現在の私のおすすめは
です。
半年から1年ほどで、何らかの効果を見て取れるそうです。
塾などに通ったり何かしらの努力を強いるより前に、「視覚」を始めとする身体機能に着目してみてはいかがでしょうか。
最近のレッスンにて
レッスンのあとにお祭りに行く〜。と、ゆかたを着てきた小学3年生の生徒さん。
夏ならではです。
子どもにわかりやすい楽譜、というものがあります。
教材として売られているわけではないので、こうして手書きで作成することがあります。(これはビリーブ)
この手書きの楽譜(と呼ぶもの)は、色塗りや番号(そしてかわいい落書き)を生徒さんが手伝ってくれてなかなか良い感じになりましたので撮りました。
一緒に作成した小学1年の生徒さん、「写真、わたしも入る〜」と。
こういういたずらっ子な感じ、キュンときます笑。
まずは本を読んでみたい場合
ビジョントレーニングに関する本はたくさん出ていますが、わかりやすく、実践もしやすかったのはこちらです。
思い当たることがあれば、実際に足を運んでみる(検査を受ける)ことをおすすめします。
【生徒さん募集&レッスン空き状況】
以下、2019年7月現在の状況です。
- 生徒さんの募集を継続しています。レッスン枠が残りわずかとなっております。お早めにご利用くださいませ。
- 募集しているコースは以下となります。『リトミック』『子供のレッスン』『大人のレッスン』『発達障がいその他の障がいをもつお子さまのレッスン』。
- 『子供のレッスン』『発達障がいその他の障がいのお子さまのレッスン』:今年度の募集を終了しました。空きが出ましたらお知らせいたします。
- 『大人のレッスン』『身体の調律コース』『面談セッション』:午前中または午後の早い時間帯にいらっしゃることができるようでしたら、お受けできる枠があります。(単発のレッスンのみとなります)
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