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呼吸の動きと上達、そして発達

全ては呼吸から始まる。

呼吸を自然に止める時というのはどのような時でしょうか。

例えば水に潜るとき、呼吸を止める必要があります。

すごく臭い匂いがある場合もそうですね。それから驚く時や緊張する時、恐れがある、怖い時。

 

トップクラスのピアニストやアスリートは、力を出す時に呼吸を止めません。

彼らの動きを見ると、呼吸と動作は滑らかに一緒に行われています。

そういうレベルに達していない人は呼吸を止めています。

 

呼吸を止める、浅くなる、と言うのは「自信がない」という合図です。

自信がない時に呼吸を止め自分を守ろうとします。

上手に行っている人を見ると、力は出しても呼吸は止めません。

 

ご飯を食べる時は呼吸は止まります。

水を飲む時も呼吸は入りません。

呼吸が入ったら食べ物、飲み物が気管の方に入るからです。

 

バナナの上で滑ったとしたら、呼吸は止まります。

呼吸を止めて筋肉を全て収縮させ、倒れる時に怪我をしないようにするのです。

 

恐れがある時、怖い時には呼吸は止まります。

それは自然な呼吸の止め方と言えます。

しかし現代人は四六時中呼吸を止めることが多いです。

例えば集中する時は呼吸を止める人が多いです。

完全に止めていなくてもちょっと止めたり浅くなっています。

 

ゲームをやったり仕事で細かい作業をやるような時は、ミスをしたくないので呼吸を止めることが多いです。

ピストルとかライフルを打っているのをビデオで撮ると、体を動かさないために呼吸を止めているのがわかります。

ゲームや何か仕事で集中しているなどに、例えば呼吸が半分(浅い)になってしまったら、大変な疲れが後から出てきます。

 

呼吸を止めることと恐れには関係があります。

だから子供の時に学校などで嫌だなと感じて勉強させると呼吸を止めることが多いです。

 

自由に動きたい子供にそれを止めるようにすると呼吸を止める反応が出てきます。

自然な呼吸を止めてしまうことがそれが生活の中に無意識に入ってきます。

呼吸が浅くなったり止めたりすることがクセになるのです。

 

人間の脳の神経系は呼吸を止めることで身を守っています。

倒れる時、落ちる時に呼吸を止めて体を硬くしなければ体全部が床にぶつかることになります。

自分を守るために呼吸を止めるのが本来の機能です。

 

でも、毎日の仕事やスポーツ、ピアノを弾く時にいつも呼吸を止めたり浅くしていたら体は弱くなります。

 

立った姿でのバランスは多くの人にとって難しくはないけれど、動く時のバランスは上手くならないとできません。

特に楽器演奏、スポーツ。

動きの中で絶えずバランスをとって安定している必要があります。

 

特に子供の時の習慣は残ります。

ちょっと集中した時にすぐ呼吸を止め、体を固定してしまいます。

だから「集中」は良いと思われているけれどもそうではない、とフェルデンクライスも言っています。

 

呼吸を止めたり浅くしたりを繰り返すと、まず体の循環が非常に悪くなります。そして疲れ、弱っていきます。まさにフェルデンクライスを始める前の虚弱体質の私です。

 

呼吸を止めることの裏に隠れていることは何でしょう。

精神的なこと、親子関係、それから会社の上司との関係。。。

 

例えばちょっと考えてください。

40センチぐらいの幅の板の上に歩くとき、それが床の上である場合は問題ないでしょう。

40センチを今度、板を30m上に上げてください。

そこで歩いてみてください。

もう話だけでも呼吸止まりましたね笑

 

これはとっても根深いことです。

一つは子供の時からの自分の学習の習慣。

例えばたくさん遊びたい、動きたい子供がいます。

そういう6歳の子供を黒板の前に座らせて先生の話を聞かせようとするとなかなか落ち着きません。

そして先生の話を聞くためには、自分を動かないようにするために、どうしても呼吸を止めなければなりません。

 

また、上手くなりたいという欲望が強すぎる場合も同じことが起きます。

自分のできることより先をやろうとする場合、例えばピアノで難しすぎる曲に挑戦したり、まだ弾けていないのに速く弾こうとしたり。。。

 

そういう時は必ず呼吸を止めています。

能力があるということは呼吸を止めないということ。

呼吸を止める、浅いと言うのはつまり自信がない証拠なのです。

     

だから講師かなざわは、呼吸を止めたり浅くしたりするようなレッスン時間にならないよう、日々研鑽を積んでいます。

呼吸を浅くしているような時には教室のおもちゃで遊ばせたり、お話したり、応じてくれる子にはフェルデンクライスの動きをやってもらったりします。

だから親御さんが良かれと思ってレッスン中にお子さんを叱責すると実は私が積み上げている成果が一つ、無力かしてしまうのです。

怖い思いをさせない、つまり叱らないこと。嫌な気分で弾かせないこと。

だから、楽しい、優しい、自由な感じが出てくるレッスンになるのです。

 

日常の中でご自身を見てください。

 

何でも流れなければなりません。呼吸は一番大事な流れです。

呼吸を止めるとき、顎や目、肩、お腹の筋肉を固くする人もいます。

自分の習慣をちょっと見てみましょう。

無駄に努力しているところがあります。

 

呼吸を浅くして首、顎、お腹を固めてしまう、そういう無駄な努力に注意を払います。

でも無駄な努力にはなかなか自分では気づけません。

その習慣は疲れや痛み、循環の悪さとなって外に出てくることになります。

 

この無駄な習慣に気づき、自分がやっていることに気づいていく、本来の自分の力を取り戻す。

これがフェルデンクライスです。

 

当教室はフェルデンクライスを応用したピアノレッスンを行っています! 

指導にあたって

当時、講師かなざわの1歳の息子がピアノで楽しそうに遊ぶ姿に感激しました。これは、その当時のかなざわにとってピアノは『楽しい』ものではなくなっていたからです。

 

人は本来、ピアノが楽しくないとか苦手だとは思いません。しかし、ピアノが苦手で楽しくないと感じ、結局は諦めてしまう人は多いのが現実です。それを変えたいという思いが、ピアノ教室を立ち上げる原点となりました。

 

お子様にピアノを習わせたい親御さんや、自分自身がピアノを学びたいと思っている大人の方々は、レッスンに何を期待されていますか?

私がピアノを習っていた当時は「上手い」ことが全てでした。

それは音大に入っても変わりませんでした。

 

しかし社会に出て「上手い」人に価値があるというわけではない、ということがわかりました。

それはとてもショッキングなことでした。

そこにたどり着けば上手くいくものだと思って努力していたからです。

これは勉強,就職に対する考え方と同じだと思います。

 

『上手い』演奏は目指しません。

ピアノレッスンそして練習というプロセスを通して『質の良い学び方』を学びます。

「結果」は、『学んだ』後に勝手についてきます。

練習、学びの質が良ければ自然と「上手い」演奏になるかもしれません。

 

 私が準備できるのは、まずは何度でも間違えられる、どのような弾き方でも批判を受けない、つまり「安全だ」と感じる環境を作り生徒さんが本来の力を出せるようお手伝いをすることです。

音楽は非常に歴史が深く人間の叡智が宿っています。

それを演奏する楽しさというのは格別です。

しかし、やり方を誤ると体を傷つけます。

 

私自身が、小学校高学年の頃から体の痛みに苦しめられることになりました。

30代を過ぎてからは治療法の確立されていないフォーカルジストニアという脳神経の難病を発症しています。

痛みや病気の発生はその取り組み方にありました。

 

努力や根性、厳しい訓練がもたらす弊害を、ジストニアをきっかけに始めたメソッド「フェルデンクライス」から学びました。

フェルデンクライスは脳の可塑性を利用した科学的なメソッドです。

動きを通して脳を活性化します。

 

根性論でなく、何か有名な教育書に書かれているからでもなく、ただ脳がどのようにしたら活性化するのか、よりよく学べるのか、それをフェルデンクライスは体験をもとに気づかせてくれます。

 

私の指導の源はそこにあります。

指導とは、その演奏を成しとげるための『新しい選択肢』を提示するものです。

『理想』はおしつけません。

一人ひとりに寄り添い、 その人らしい演奏を尊重します。

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年度替わりの際に、進学等により多少の空きが出ることがありますが、ほぼ定員いっぱいで、生徒さんを増やすことがなかなかできない状況です。

 

従来の精神論に頼らない科学的な根拠に基づいた指導法をもっと広げ、本質的な意味で生徒さんの人生の質をあげることに貢献していきたいと考えています。

 

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