楽譜を読むことは、技術的なスキルだけでなく、さまざまな能力が協力していると言えます。
楽譜を理解し、演奏するには、音楽的な直感力や視覚的な認識能力、そして実践的な演奏スキルがお互いに連携していなければなりません。
当教室において、楽譜の読みに悩む生徒さんが他の教室から移られるケースが多く見られます。その中で、「楽譜を読ませることに先生が熱心で大変だった」という理由が挙げられます。
多くのピアノの先生が「ピアノを楽しむためには楽譜を読まなくてはならない」と考える傾向がありますが、これが逆に多くの生徒にとってストレスとなっているのが実情です。
私の教室には「読める」という段階に達していなくても、ピアノを十分に楽しんでいる生徒がたくさんいます。
音符のドレミやリズムが分からない場合でも、手助けを受けながら楽しさを見出すことができます。その手助けを提供するのが指導者の役割であると考えます。
楽譜の読みが苦手な方が8割も存在する中で、その苦しさに時間と労力を費やし、最終的には自己評価を下げるよりも、足りない部分を他者に補ってもらいながら楽しみを見出す方が良いと私は思っています。
人は完全に一人で生きておらず、お互いに助け合って生きている存在です。なぜなら、楽譜を読むというスキルを身につける際に一人で自立しなければならない理由はないからです。
私を含むピアノの先生たちがどのように楽譜を読んでいるかについてお話しします。
私は小さい頃から音楽の専門教育を受け、高校や大学で音楽に取り組んできました。未知の曲の楽譜を見ると、その曲が頭の中で音として鳴ります。見ただけで曲の特徴や難易度を把握し、ピアノを弾かなくても難易度を判断できます。
このように楽譜と演奏が完全に一体化しているため、楽譜を切り離して考えることが難しくなります。
したがって、楽譜を読ませたいと考える先生たちは、「楽譜を読まない方法で指導するのはやりにくいから」という信念に従い、生徒に楽譜の読み方を教えることがあります。
子供の生徒に関しては、耳が良く耳コピができる場合、弾くことが上手でも楽譜を読むことが難しいことがあります。このような子供たちは「自分にとって簡単なやり方で学びたい」という傾向があり、楽譜が本当に必要となるまで、読む作業にはならないことが多いです。
無理に楽譜を読ませることは避けるべきであり、楽譜は曲を上手に弾くために重要な情報を提供していると認識させる必要があります。
耳コピを過度に正当化すると、生徒自身もそれが良いと思い込み、将来的に複雑な楽曲に取り組む際に楽譜が必要であることに気づかなくなる可能性があります。
高校生のある生徒さんが、楽譜の読み方において著しい進歩を遂げた理由は、一つに和音の読み方に注力したことが挙げられます。
和音は同時に二つや三つの音を鳴らす音の組み合わせであり、例えば低い音から順にドミソが並んでいる場合、読む能力が不十分なときにソミドと逆に読んでしまうことが頻繁に起こります。
特に高校に進学してから、その生徒は和音に関する誤りが著しく減少し、高校3年生になるとそのような誤りは完全になくなりました。
楽譜を一緒に読む際のスピードも以前と比べて飛躍的に向上しています。
変化に気づいた私が尋ねると、生徒さんは「音楽を聴いている時に、大体次にはこんなメロディが来るんだろうなとか、こういう伴奏で終わるのかなとか予想できるようになりました」と答えました。
言い換えれば、楽譜の読み方は単なる読む能力だけではないということです。次にどの音が来るかを予測する能力、曲を知っていれば次にどの音が来るかを耳で聞き分ける能力、そして読み進めながら推測する能力が必要なのです。
その他にも、音符がドミソであれば瞬時にどの高さの鍵盤にどの指を置くかを理解する能力や、読んだ情報を即座に演奏に転換する力などが楽譜の読み方には関わっています。
音に変換しなければ、最終的には楽譜が読めたことにはなりません。
また、楽譜のドレミを見て歌える、つまりどの高さの音なのかを理解する能力や、楽譜と自分の演奏が合っているかを見極める能力も重要です。
最近では私は楽譜を図形として捉えていることがわかりました。
五線譜に長い線を追加すると読めなくなる感覚があり、形で判断するようになっています。これは図形の認識能力が関与していると言えるでしょう。
様々な能力が複合的に結集して初めて、「楽譜が読める」と言えるものです。
音楽の全体像を理解することが楽譜の読み方につながります。
歌を歌ったり、リズムに合わせて踊ったり、様々な楽器でさまざまな曲を演奏することが、その能力を高める近道であると言えるでしょう。
非常に広範な範疇での「認知能力」とも言えますが、楽譜を読むことが必ずしも生きる上で不可欠なものではないという事実にも留意すべきです。
不思議な譜読みの世界についてのお話をお届けしました。
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