緊張は敵じゃない ― 今の自分を感じ取り、いつでも動ける体をつくる
発表会が近づくと、誰もが少なからず「緊張」します。
手が冷たくなったり、呼吸が浅くなったり、指が思うように動かなくなったり。
でも、それは身体が「本番に備えて動き出している」証。
緊張は“敵”ではありません。
むしろ、身体があなたを守り、集中しようとしているサインなのです。
大切なのは、「緊張をなくすこと」ではなく、
緊張していても動ける身体を育てること。
🌿 「リラックスする」ではなく、「動ける余地を残す」
多くの人は「リラックスすればうまくいく」と思いがちですが、
完全にリラックスしてしまうと、身体はむしろ“動けない”状態になってしまいます。
フェルデンクライスでは、「リラックスする」よりも「動ける余地を残す」ことを大切にします。
「動ける余地」とは、筋肉がまだ収縮できる“のびしろ”がある状態のこと。
言い換えれば、筋肉が長く保たれ、どちらの方向にも動ける準備がある状態です。
緊張が強くなると、筋肉は必要以上に短くなり、動きの幅を失います。
すると、音の流れも止まり、呼吸も浅くなります。
逆に、筋肉が長いまま柔軟に保たれていれば、
そこには常に“次の動きに向かえる余白”があり、身体はどんな状況にも対応できます。
「リラックス」ではなく「動ける」
「脱力」ではなく「余地を残す」
それが、演奏の自由さを支える身体の在り方です。
🎹 今できる動きを感じること
多くの人が「リラックスしよう」とすればするほど、
かえって身体が固まってしまう経験をしたことがあると思います。
それは、力を抜こうとする努力によって、
すでに緊張している筋肉をさらに押さえつけてしまうからです。
フェルデンクライスでは、その逆を行います。
“今できる動き”を丁寧に感じ取ることで、
身体が自ら調整し、余分な緊張を手放していく。
動ける余地を感じ取ると、身体は自然にバランスを取り戻します。
たとえば、
- 呼吸の出入りに気づく
- 肩や背中のどこに力が入っているかを感じる
- 足の裏に体重がどう乗っているかを探る
こうした“気づき”が、筋肉を少しずつ長い状態に戻してくれるのです。
それは努力ではなく、感覚の再教育。
このプロセスを通して、緊張していても動ける身体が育っていきます。
🌈 本番に向けて ― 質の良い練習が緊張を味方にする
ここまでお伝えしてきたことは、もちろん本番でも効果を発揮します。
ただし、それが演奏の結果そのものに直結するかというと、
そこにはもうひとつ大切な視点があります。
歴代の音楽家たちは、この「本番での身体と心の働き」について多くの研究を重ねてきました。
その中で共通しているのは、練習の段階から筋肉を過度に収縮させないこと。
つまり、
「これ以上縮めない筋肉」ではなく、
「まだ動ける長さを保った筋肉」で練習を重ねておくこと。
日々の練習で、筋肉を長い状態に保ちながら弾く“質の良い動き”を身につけておくことで、
本番で緊張しても、コントロールを失うことはなくなります。
本番で起こることは、すべて練習の延長線上にあります。
「緊張したからダメだった」のではなく、
普段どのような身体の使い方で練習しているかが、そのまま結果となって現れるのです。
発表会は、これまで積み重ねてきたその練習が舞台で形になる日。皆さまの健闘を心から祈ります!
さちピアノ教室からのお知らせ
🎵 発表会開催のお知らせ
2025年11月24日(月・祝)
クレアこうのす小ホールにて、教室発表会を開催します。
子どもから大人まで、ソロ・連弾・弾き語り・アンサンブルなど
多彩なステージをお楽しみください✨
ゲストには、おもちゃのピアノ&ピアノパフォーマー「ウーーノ」さんをお迎えします。
👉 発表会の詳細はこちら
📍 練習室レンタルのご案内
発表会やコンクール前の仕上げに最適な練習室を開放しています。
YAMAHA C3 グランドピアノ完備、防音室(河合ナサール・オーダー仕様)。
会員以外の方のご利用も可能です(要予約)。
👉 練習室レンタルについてはこちら
💡 オンライン講座のご案内
🎶 プロベクタ・コース(演奏者向け)
フェルデンクライスメソッドを応用した独自プログラムで、
演奏者の身体感覚と学び方を整えます。
👨👩👧 コンシエンシア・コース(保護者向け)
お子さんの学びを支えるために、家庭でできる関わり方や身体の理解を深める講座です。
月額制で動画を定期配信中📹
🎶 講師募集のお知らせ
さちピアノ教室では現在、非常勤講師を募集しています。インクルーシブ教育に興味のある方を歓迎します。
楽器は問いません。
(週1回/25分レッスン×1,500円〜・曜日時間応相談)
👉 講師募集申し込みフォーム