自閉症・ADHD・吃音をもつ中3息子(元知的障がい)の成長記録
〜発達障害 × 感覚過敏 × フェルデンクライス × 自立支援〜
自閉症・ADHD・吃音があり、幼少期に知的障害の診断も受けていた中学3年の息子・なおき。
幼い頃は感覚過敏が強く、外出や食事、泊まりがけの行事も難しい状態でした。
しかし、思春期を迎えた今、彼の世界は大きく広がっています。
今日は、なおきの成長を「発達」「身体感覚」「自立」という視点からまとめてみたいと思います。
■ YouTubeが「好き」を力に変えた
なおきには鉄道、特にSLや駅撮りへの強い興味があります。
その興味を生かして3か月前に始めたYouTubeチャンネルは、気づけば登録者200名を突破しました。
YouTubeは1000人以上の登録者で収益を得ることができます。この調子でいけば1、2年以内には動画で稼げるようになるところまで来ています。
・毎朝6時半起床
・20分のギター練習
・その後3〜4本の動画投稿
・多い日は10本投稿
息子の“継続力”と“集中力”は、自閉症やADHDの特性が強みに変わった姿でもあります。
鉄道ファンの方々からの温かいコメントもあり、よく撮影現地で出会う高校生や大人の鉄オタ撮影の方などもいるようで
「お前、あそこにもおったんか!」などというコメントもあり、面白すぎると感じています。
「好きなことで人とつながる」 経験は、なおきの自信につながっています。
■ 家事が発達を促す“ワーク”だった
通信制高校(実業家の堀江氏が主宰するゼロ高等学校)への進学が決まり、自宅で過ごす時間が増えることを見越して家事を少しずつ教えました。
すると、想像以上の伸び方がありました。
・毎日、夕飯を作る
・排水溝を徹底的に掃除
・ケンタッキーの味を研究
・毎日、全部屋とトイレの掃除をする
ある日、私が早朝から外出し「洗濯物どうしよう…」と思いながら帰ると、
なおきがすでに干し終えてくれていたことがあり、感動しました。
家事は、身体を通して世界を理解する学び。
シュタイナー教育でも大切にされている視点です。
発達障がいのある子どもほど、家事を通して「身体を使った経験」が自立の推進力になります。
■ 感覚過敏が軽くなると行動範囲が広がる
幼少期は、パンもジュースも“決まったもの以外受けつけない”ほど味覚過敏が強く、
小学5年生までは親族以外と外泊できず、林間学校も夫が付き添って参加する状態でした。
ところが今では――
・自分でホテルを予約し
・鉄道旅を計画して
・ひとりで新潟へ2泊
・そのまま大叔母のお見舞いに上越市まで移動
という行動力を見せています。
おばあちゃんのお手伝いや家事の手伝いのバイト代でお金が貯まってくると鉄道旅行を計画し、すでに外泊を伴う一人旅を4回以上経験しています。
この変化の背景には、継続して行ってきた
フェルデンクライス・メソッド
(身体感覚を育て発達の後押しをする)があります。
もちろん、今まで携わってきてくださった皆様の支援あってこそですが、根幹はどうしても家庭にあります。
フェルデンクライスを続けることで、
・触覚が成熟し
・理由のない不安が減り
・味覚過敏が改善し
・「自分でできる」が増えた
身体が安心を取り戻すと、人は自然と“外の世界”へ向かっていきます。
■ 子どもたちの未来は一つではない
最近、なおきは通信型高校「ゼロ高」の説明会にも参加しました。
皆が堂々と
「勉強はしたくないけれど、自分で稼げるようになりたい」
と語っていたのが印象的でした。
私は、音大を卒業し学校の勉強は全く勉強してこなかったのに(中学の2年間は積極的不登校)、社会保険労務士という合格率5%の国家資格を取り、上場企業の人事部で働くことができていたことから、学校の勉強は「民間企業」で働く際には全く役立たないと思っています。
もちろん先生職や医師、勉強が必須な職業は除きます。
一般的な民間企業で入るときに必要なのは学歴ではなく学校の「名前」です。
だから、名のある学校に行ける人はそれを利用できるから勉強をした甲斐は出てくるけれども、それが微妙である場合には、圧倒的に、仕事をする力をつける「体験」をとにかくたくさんした方が良い、というのが私の持論です。
なおきがゼロ高に決めた理由は
「お金を稼ぐ方法を知りたいから」
だそうで、それを説明会の際に堂々と言っていたのには正直すぎて笑いました。
そして高校での目標は
「JR東日本の株を300株買い、株主優待で電車賃を下げる」
だそうです(笑)
でも、バイトを死ぬほどやると決めているので不可能でもないなと思っています。
発達の凹凸がある子どもたちでも、身体の安心と「体験 」が積み重なると自分の未来を自分で描き始めるようになります。
■ 発達凹凸のある子の成長の鍵
発達障がい、凹凸のある子が成長していく鍵は、
「身体の土台」
たくさんの新しい「体験」
の2つであると、なおきを通して強く実感しています。
私が主催する保護者向け講座 コンシエンシア では、
子どもの発達を“身体の仕組みから理解できる親になる”ことを目指しています。
発達は決して“訓練や勉強”では伸びません。身体が整うと、自然と世界が広がります。
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