講師のブログ

自閉症息子(中3)の近況と進路など

講師かなざわです!ブログに書き始めた当初は小学校低学年だった息子ももう中学3年生。気になる進路が大体決まってきましたので書きたいと思います。

ブログを書き始めた当時、小学校低学年の頃の息子。レッスンで説明に使う骨格模型(15万円相当)を笑顔でぶっ壊す。こうして2代目の骨格模型が現在の教室の「子どもの手の届かない位置」にございます(笑)

息子が自閉症と診断されたのは4歳頃、その後知的障害を伴う自閉症とされました。世話が大変すぎてフラフラしていた両親2人。その後グングン成長し、現在は学校の成績は普通くらい、中学の最初の2年間は在籍は支援クラス、勉強は全て普通クラス。そして中学3年の現在は全て普通クラス所属となりました。
知的障害についてはその領域を余裕で超えるIQを持つようになったため療育手帳を返却。
ボルダリング、水泳、ビジョントレーニング、合気道、エレキギター、たまに歌とピアノをたしなみ、どれもやめる気配のない趣味を極める毎日です。

気になる進路について、息子は鉄道オタクでテレビでは蒸気機関車、発車メロディ、休みの日には汽車に乗り鉄&撮り鉄、長期休みには1人で電車の旅にでかける正真正銘の鉄の中毒のため、鉄道系の進路を考えていました。昭和鉄道高校岩倉高校などを目指し勉強をしていましたが、あることをきっかけに方向を変更することにしました。

きっかけは、学校の担任で体育の先生の行動があまりにも納得できないことがあったからでした。詳しく書かないですが、いわゆる「優生思考」がありそれゆえのハテナ?な発言がしょっちゅうありました。その問題発言を通して校長先生と話も何度かしました。
で、鉄道系の高校というのはその後に就職する場合が多いため、学校の内申を評価する、というのがあり、でもこんなまるで50年前にタイムスリップしたかのような昭和の教育を押し付けてくる先生に評価なんかされたくない!ということで、内申点を取るということを放棄することにしました(笑)

はい、ここから「世の中と足並みがそろわない」私たち夫婦と息子の独自の考え方が始まります。
もともと、息子は早く社会に出て働いてお金を稼ぎ、大好きな鉄道旅行や地球のいろんなところに行ってみたい、早く自立したいという気持ちがあります。新潟の老舗のお菓子屋さんが経営するクレープ屋さんに住み込みで連続5日間など働いてお金を頂いてきた実績もすでにあります。
なのでお金を稼ぐことは高校では必ずやりたいと思っていたのです。

私自身が、音楽以外の勉強はほとんどしてこなかったにも関わらず、社会保険労務士という合格率5%の国家資格を取り、その後上場企業の人事部で働いていたことなどから、学校の勉強自体は本当に必要ないなと感じていました。あるとしたら必要なのは「学校名」です。
でもその学校名が大したことなかったから、今の社会ではほとんど役に立ちません。
「世の中と足並みがそろわない」私が言っているので意味不明に感じる方はここまでで大丈夫です!!

私の母が早稲田の商学部でした。上の姉も早稲田で文学部、下の姉は慶應の法学部です。でも3人ともほぼ専業主婦です。下の姉がすこーしお金を稼いでいるのは何かというと「イラストの仕事」です。勉強とはほとんど関係ありません。

という私の周りの状況から、勉強は仕事にはほぼ役に立たない(息子と同学年の甥のように医学部を狙っていたりで明確に勉強する理由があったり、または勉強好きである場合を除く)と結論付けていた私。
その辺の興味のない高校に行くのだったら通信制の高校に行って高卒資格だけ取り、バイトや自己教育に明け暮れた方が余程良いと思っていました。
でもくれぐれも、世の中と足並みが揃わない家族なので、です(笑)他の子供たちにそう望んでいるわけではありません。

高校の時期は、脳が無茶苦茶成長する時期、ピアノだってものすごい上達します。そんな時期を勉強していたらもったいない!と思ってしまうんですよね。。。

ということで前から目をつけていたのが2つのネットの高校。一つは実業家のホリエモンが主宰する「ゼロ高等学院」、もう一つはネットの高校では老舗の「N高等学校」です。
ゼロ高等学院の堀江氏の意見に全て同意見かと言われるともちろん違うところもありますが、70%くらいは「やっぱりそう思うよね!」と納得する指導方針があります。仕事につなげるためのサポートに重きを置いているので息子のようにいろいろな経験をしてバイトもし、できたら起業もしたいなと思っている子どもには合っていると感じました。

N高校は角川が運営しているいわば「誰にでも合う」学校。
著名なピアノコンクールで優勝しているような子供で、学校に行く意味がないためN高に所属して高卒資格だけ取れるようにし、留学をしたりピアノの練習に明け暮れる、というやり方をしている例をみて、そういう風に決めて入るのならとても有意義だなと思いました。中学生ですでに起業し、仕事が忙しいのでとりあえずN高、という子供もいるようです。

両方の説明会に行きましたが、ゼロ高等学院の説明会がとても面白く納得できるものだったようです。
卒業生や在校生が説明してくれたそうなのですが、起業している方も多く、まだ10代とは思えないような成熟度があったそう。もちろん良い人材で構成しているとは思いますが意見をしっかり持っている人たちだったそうです。
というわけで、第一志望は今の所ゼロ高等学院となりました。

入学後の生活についても考えてあります。
週4日は近くのモスバーガーで早朝からの仕事を5、6時間する。朝8時〜午後1時(バイト)※夜の仕事は体を壊すので禁止。そのあと昼食をとり、午後2時から夜の7時までボルダリングジムで汗を流す。(高校生は1ヶ月通い放題でなんと5000円!めちゃめちゃお勧めのオーバーグラウンド!)7時半から夕飯、その後は習い事の練習や勉強をして寝る、という流れ。

その他に週1日は土木や建設関係のところで文字通り汗水垂らして働くそうです。これは、息子が水泳や合気道、ボルダリングなどの習い事を通して鍛えられ服を脱ぐとアーノルドシュワルツネッガーかと思うようなムキムキの体になっており、私の健康オタクの成果もあって異常なまでに健康であることから、体をフルに使った仕事もやってみようということになっています。(毎日腹筋と腕立てを100回ずつやってるそうです。。。)
他の週2日は学校の課題の提出や趣味の鍛錬、旅行に充てる予定。
バイトは上に書いたくらいすれば月18万円以上になるので、習い事の費用は自分で払ってもらう予定。自分で稼いだお金で、全て継続すると言っています。そこまでは習い事がめちゃめちゃ多いですが頑張ります。

学校のお勉強から「い〜ち抜〜けた〜!」をした息子と、世の中と足並みを揃えられない私の独自の考え方を書いてきました。息子にはこのように考えていますが勉強を頑張る子供達を否定するものでは全くありません。

私の考えの根底には10年以上学び続けている「フェルデンクライス」があります。フェルデンクライスは脳科学をベースとした身体訓練法です。息子が5歳くらいの時からその手技を毎日やり、教育に考え方を溶け込ませてきました。フェルデンクライスを学ぶと自己イメージが明確になり、社会と自分との区別をはっきりつけられるようになります。

さちピアノでは、フェルデンクライスを応用した動きのコースを用意しています。発達が気になるお子さんの親御さん向けのコンシエンシア、楽器を上達させたい方、歌い手のためのプロベクタの二つです。お忙しい方でもビデオ視聴でお手隙の時間に学ぶことができます。ご興味のある方はお問い合わせください。

ゼロ高の昨年の入学式での堀江氏の祝辞です。面白い!こういう祝辞だったら聞こうって思います。

さちピアノ教室
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