講師のブログ

ピアノの練習は「自分から」するもの?練習を邪魔しているものは何だろう

こんにちは。講師のかなざわです。梅雨の時期に入りましたが、雨の少ない日が続いていますね。夕方、ふと神社へ足を運ぶと、空には淡いピンク色の雲が広がり、頬を撫でるやさしい風がとても心地よく感じられました。

さて今回は、多くの親御さんが抱える「子どもが自分から進んでピアノの練習をしてくれたら…」というお悩みについて、少し客観的な視点から紐解いてみたいと思います。

なぜ、子どもは自分から練習しないのか?

結論から申し上げますと、子どもが自動的に1人で練習できるようになるのは、それが完全に「日課(ルーティン)」として脳に定着している場合のみです。

まずは、ピアノの練習を「お風呂に入る」「食事をとる」といった、生活に不可欠な日常行動と同じベクトルで捉えてみてください。

例えば、お子さんがお風呂を渋る時、そこには「疲れて眠い」「傷が沁みる」などのストレスが隠れていることがあります。人はストレス(負荷)を感じると、本能的に「回避」を選択します。しかし「明日は朝から楽しいお出かけがある」など、明確なメリットがあれば、スッと入ったりするものです。

これをピアノに置き換えると、大切なポイントが2つ見えてきます。

  • 心理的・身体的ハードルが低いこと 「課題が難しすぎる」「弾けなくて辛い」といった過度な負荷がかかっていると、いくら促されても「やらない」という選択に至ります。
  • その先に明確な報酬(モチベーション)があること 「お母さんに褒められる」といった短期的な報酬や、「発表会で披露する」という社会的動機づけ、または純粋に「この曲が弾きたい!」という思いは、大きな原動力になります。

「先の未来」を想像するのは難しい

実は、「まだ見えない未来の利益のために、今の行動をコントロールする」というのは、人類特有の高度な能力です。大昔、同じような姿をしていたネアンデルタール人に強さで劣るホモ・サピエンスが生き残れたのは、この「先を見越して備える力」があったからだと言われています。

しかし、子どもの脳(自己コントロールを司る前頭前野)はまだ未発達です。「日々の地道な練習が、数年後の高い演奏技術に繋がる」という長期的な因果関係を、実感として理解するのは困難なのです。ですから、「できなくて当たり前」なのです。

練習を「自然な習慣」にするためのアプローチ

では、どうすれば良いのでしょうか。有効なのは、既存の生活習慣に練習を組み込む「ハビットチェーン(習慣の連鎖)」です。

  • 「夕食の前に弾く」「お風呂の後に弾く」など、定着している行動とセットにする
  • 導入期は「練習の質」に口を出さず、ダメ出しを避ける
  • 他の子やYouTubeの演奏と比べたりせず、「過去のお子さん」に対する成長を認める

「なぜ自分からやらないの?」と問い詰めるのではなく、「今、何がこの子の行動を邪魔しているのだろう?」と、環境を分析する視点を持つことが大切です。

かなざわの「練習したくない」記憶

私自身も子どもの頃、練習を巡って悪循環に陥った経験があります。

課題が難しかったり、譜読みが面倒だったりした上に、学校の疲れも重なり「やらなきゃ」と思いつつ先延ばしに。ようやく重い腰を上げたところで、母から「ピアノはやったの!?」とキレ気味に言われ、「今やろうと思ってたのに、やる気なくなった!」と反発する毎日でした。

小学校高学年にもなると、学校行事や行田市特有の連合運動会の練習などで、疲れ果ててお風呂に入るのがやっとの時期もありました。そんな時、無理に練習を迫られたら「じゃあ、やめる」となるでしょう。
まあ私には、家庭内で“恐怖政治”を行っている母にそんなことを言ったら殺されると感じていたため「やめる」という選択肢はありませんでしたが(笑)。

教室としては、お家でも面倒に感じないような「その子に合った課題の設定」を行っています。学校行事で疲れている時期は、「今はピアノがはかどらなくても仕方ない」と思い切って諦めるか、優先順位をどちらかに置くかですね。

発達の特性と「自信」のつながり

また、特性により、そもそも「何かをやらせる」ことが非常に難しいお子さんもいらっしゃいます。

このような場合、能力の高さとは関係なく、ご本人の「自信のなさ」に起因していることが多く見受けられます。そしてその自信のなさは、自分自身の身体や感覚を正確に捉えられていないことから始まっていることがほとんどです。これは、赤ちゃんの頃の「動きの未成熟さ」が関係していると言っても過言ではありません。

自閉症である私の息子もこのタイプでしたが、フェルデンクライス・メソッドを通じて「体の地図」をしっかり作ったことで、小学3、4年生くらいからは様々な新しいことにチャレンジできるようになりました。
高校1年となった今では、吃音を持ちながらも接客も含むアルバイトにチャレンジし、学業と両立して月10万円くらい稼げるようになりました。様々な新しいことにも率先して取り組みます。

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体の感覚を整えるこのアプローチは、健康や美容に気を遣っている方、日々の疲れを癒やしたい方など、実は大人の方も含めて万人にお勧めです♪

おわりに
ピアノの練習は毎日の積み重ねだからこそ、お子さんにとっても、見守る親御さんにとっても「無理のない形」を見つけることが何より大切です。「なぜ弾かないのだろう?」と悩んだ時は、ぜひ今回の視点を思い出してみてください。

教室でも、一人ひとりのお子さんのペースや状況にしっかりと寄り添いながらレッスンを進めてまいります。ご家庭と教室とで連携を取りながら、少しずつ、お子さんが音楽を楽しめる環境を一緒に作っていけたら嬉しいです。

最近さち先生がハマっている動画
12月に開催予定の発表会では、フルート奏者の方をゲストにお招きする予定です。「ゲーム音楽」というくくりでフルートに合う楽曲を探していたところ、ある曲に再会しました。
それは、ドラゴンクエストIIIの「おおぞらをとぶ」という楽曲です。 ゲームの中で「ラーミア」という伝説の鳥を手に入れ、大空を飛ぶときにBGMとして流れる音楽なのですが……ご存知の方はいらっしゃいますか?
実はある研究によると、「人は思春期に聴いていた音楽が、自分の音楽的な好みの基盤になる」のだそうです。 小中学生の頃、夢中になってやり込んだドラクエの記憶。ラーミアを復活させる道のりは本当に、すっごく大変だったんです(笑)。だからこそ、この曲を聴くと当時の感動が一気に蘇ってきます。
もはや、この曲自体が素晴らしくて感動しているのか、私の青春のバイアス(思い出補正)が強すぎて感動しているのか、自分でもわからない境地に達しています(笑)。
私から見れば、今やすっかり若いお母様方が生徒さんの親御さん世代。「ドラクエIIIのラーミア」と言っても、もしかしたら誰にもピンとこないかもしれない……(汗)と少しドキドキしていますが、純粋にメロディがとても美しく、フルートの音色にぴったりの名曲です。

さちピアノ教室
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