講師のブログ

ピアノがもっと楽に弾ける身体の秘密〜脳の地図と新しい選択肢〜

こんにちは。さちピアノ教室のかなざわです。5/15に発売された「シェルハブ・メソッド」の本を読んでいます。
シェルハブメソッドはフェルデンクライスの弟子、ハバ・シェルハブが子どもに特化した内容で開発したメソッドです。

専門的な本なので少し難しい部分もあるのですが、私たちの身体の自然な仕組みや、ピアノの演奏、そして子育てにも直結するとても素晴らしい内容が詰まっています。

これからその内容を少しずつ要約して書いていきますね。

今回は、第一弾として「なぜ手元を見なくてもピアノが弾けるのか?」「どうすれば弾きにくい癖を直せるのか?」ということを、紐解いてみたいと思います。

1. 脳の中にある「いびつな体の地図」

本の中でまず面白かったのが、私たちの脳(感覚を司る部分)には、実際の体のサイズとは全く違う比率で描かれた「体の地図(ホムンクルス)」があるというお話です。この地図の中では、手や指先、唇などがとても巨大に描かれています。それだけ「触れる・感じる」という機能が重要だということです。

さらに、私たちの筋肉や関節には「固有受容系」と呼ばれる優れたセンサーがついていて、「今、腕がどのくらいの重さか」「どの角度に曲がっているか」という情報を常に脳に送ってくれています。

【真っ暗な自分の部屋】

夜中、真っ暗な自分の部屋でトイレに行くとき、電気をつけなくても「ここら辺にベッドの角があるな」「あと3歩でドアだな」と分かりますよね。また、車の運転に慣れると、足元を見なくてもアクセルとブレーキを踏み分けることができます。

【ピアノレッスンでは…】

ピアノを弾くときに、ずっと鍵盤を見つめなくても手が正しい位置に移動できる(ブラインドタッチができる)のは、この「固有受容系」のセンサーと「脳の地図」がしっかり働いているからです。

やみくもに指を速く動かす練習をするよりも、「今、指先にどれくらいの重さが乗っているかな?」「どんな角度で鍵盤に触れているかな?」と、自分の身体の感覚(センサー)にじっくり注意を向けることで、脳内の地図がアップデートされ、無駄な力が抜けてより自由に弾けるようになります。

2. 脳は「一番ラクな道」を勝手に選んでくれる

ピアノを弾いていて、いつも肩に力が入ってしまう、特定のフレーズで指が転んでしまう……といった「癖」に悩むことはありませんか?

メソッドの原則では、神経系は「古い癖」と「新しく提案された動き」を比較して、より効率的で快適なほうを自然と選ぶ仕組みを持っているとされています。

【ガタガタ道と新しい抜け道】

いつもスーパーに行くとき、ガタガタで歩きにくい道(古い癖)を通っているとします。それは単に「その道しか知らないから」です。ある日、「こっちに綺麗に舗装された近道があるよ」と新しいルート(新しい選択肢)を教えてもらって一度そこを歩いたら、次からは誰に強制されなくても、自然とラクな近道を選びますよね。

【ピアノレッスンでは…】

弾きにくい箇所がある時、「気合いで何度も同じ練習をする」のは、ガタガタ道を100回往復して疲れ果てているようなものです。
そうではなく、「座る位置を少し変えてみようか」「腕の力をフッと抜いてみようか」と、脳に新しい「動きの選択肢」を色々と体験させてあげます。すると脳が「あ、こっちの弾き方の方がラクでいい音が鳴る!」と気づき、無理やり癖を直そうとしなくても、自然と一番良い身体の使い方を選んでくれるようになるのです。

3. 「できないこと」より「できていること」に目を向ける

発達のプロセスにおいて、親や指導者が「難しさや弱み」にばかり注目すると、お互いに欲求不満になってしまいます。逆に、その子の「強みや、すでにできていること」に目を向けることで、子どもは「自分はできるんだ」という安心感(セルフイメージ)を持ち、新しいことに挑戦する意欲が湧いてくると書かれています。

【ピアノレッスンでは…】

「ここが間違っている!」「なぜできないの?」と赤いペンでバツをつけるような指導ではなく、「ここの音色、すごく綺麗だったよ」「前よりも手首が柔らかく使えているね」と、今できていること(強み)をしっかり言葉にして認めること。このポジティブさが、生徒さん自身の「もっと上手になりたい」「工夫してみたい」という自発的な成長を力強く後押ししてくれます。

身体の感覚をアップデートして、もっと自由に音楽を楽しみませんか?
このように、身体の自然な仕組みを知り、脳に心地よい「選択肢」を与えてあげることは、音楽表現を豊かにするだけでなく、心と身体をとても楽にしてくれます。

さちピアノ教室では、レッスンでフェルデンクライスやシェルハブメソッドなどの視点を応用するのはもちろん、こうしたメソッドをさらに深く、皆様の日常や演奏に活かしていただけるオンライン動画コースをご用意しています。

 「プロベクタ」

楽器奏者や歌を歌う方、大人の方へ。無理のない自然な身体の使い方(機能的な動き)を身につけ、痛みのない、より自由で豊かなパフォーマンスを目指したい方にぴったりのコースです。

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発達が気になるお子さんをサポートしたい親御さんへ。お子さんの発達のペースを深く理解し、その子本来の力や可能性を最大限に引き出す、温かい関わり方が学べるコースです。

どちらもお忙しい方でもご自身のペースで学べるプログラムになっています。ご自身の身体や、お子さんとの関わり方に、新しい「ラクな抜け道」を取り入れてみませんか?

ぜひ、お気軽にお問い合わせくださいね!

読んでいるのはこちら
赤ちゃんの可能性を引き出すシェルハブメソッド

私が学んでいる、フェルデンクライスをベースとしたメソッドについての「奇跡の一冊」とも言える著書です。
内容は非常にわかりやすく、そして何より面白い!
正直なところ、「自閉症の息子が赤ちゃんの時にこの本に出会っていれば、もっと穏やかに、肩の力を抜いた子育てができたかもしれない…」と思うほどです。
本書では「赤ちゃんの動き」について紐解いていきますが、そこから得られる学びは、すべて「大人」にも共通しています。
当たり前のことですが、人間は誰しも、赤ちゃんの時の動きのプロセスを経て大人になっていくもの。そこを切り離して考えることはできません。
赤ちゃんや子どもへの関わり方はもちろん、それを通して「大人への関わり方」までもが見えてくる、まさに『人を知るため』の一冊です。
少し専門的な内容も含まれるため、関連する知識をお持ちの方や、「少し難しくても、子どもの発達について深く学びたい!」という高いモチベーションを持った親御さんに特におすすめします。
ちなみに、翻訳を手がけられた高尾明子先生は、息子が幼稚園生の時に2回ほど動きを見ていただき、直接アドバイスをいただいたご縁があります。
今の息子を形作ってくださった、私にとって非常に重要な恩人のようなお一人です。
さちピアノ教室からのお知らせ

新規の生徒さんを随時募集しております。

3歳で発達障がいの診断を受けた息子と日々向き合ってきた経験や、フォーカルジストニアという神経の難病を煩い、そのリハビリとして始めた「フェルデンクライス」を通じた身体アプローチは、今の私のレッスンの大きな土台となっています。 当教室ではピアノのほか、ボイトレのレッスンも行っており、発達特性のあるお子さんも積極的に受け入れています。

まずは体験レッスン(3,800円)から、ぜひお気軽にお問い合わせください✨

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遠方にお住まいの方や、ご自身のペースで身体づくりをしたい方はぜひご活用ください。

楽器奏者のためのプロベクタ

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